先生とあたしのヒミツ☆


「そうなの?」

夏美さんが少しガッカリした声を出す。

「健には幸せになってもらいたかったから、美緒ちゃんとそうなってくれたらいいなぁって思ってた。」

笑顔で言う夏美さんは、なんだか少し切なそうに見えた。

「夏美さんは、どうして健ちゃんじゃなくて、あっちゃんを選んだの?」

気がついたら、あたしはこんな質問をしてた。

「え?」

夏美さんのびっくりした顔が、こっちを見つめる。

あ、アタシのバカ。

健ちゃんは夏美さんに思いを伝えてないかもしれないのにっ!

アタシが言い訳を考えてた時、夏美さんが呟いた。

「…健から聞いたんだ。」


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