先生とあたしのヒミツ☆


先生の車の並んでる駐車場の前を通りかかった時、健ちゃんがちょうど車に乗り込むのが見えた。

今日は補習が終わって健ちゃんが教室を去った後も、少し問題を解くのにてこずって残っていた。

健ちゃんの帰りと重なるのは初めてだ。

偶然会えて嬉しいのと、有也と一緒じゃなければ…と、少しがっかりした。

「健ちゃん~!」

少し遠くから手を振るアタシ。

その声に健ちゃんが振り向く。

「萩原先生?健ちゃんって呼んでんの、お前らのクラス。」

有也が少しびっくりした感じで聞く。

「うん、まぁね。」

「へー、いいなぁ。萩原先生、確かにフレンドリーな感じだもんな、若いし。俺らの担任もあんなだったらなぁ。」

有也の言葉に、アタシは少し嬉しくなる。

「み、椎名。今帰りか?」

アタシの隣にいる有也に気づいて、少し慌てて言い直した健ちゃん。

「えっと、隣は…ゴメン、うちのクラスじゃないよな、俺教えてる?名前なんだっけ?」


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