先生とあたしのヒミツ☆


「ねぇ、これは真剣な話しなんだけど、あなたが本当に健のこと好きなら、健のことは諦めて欲しいの。気持ちも伝えないで欲しい。」

いきなり美和子さんに頭を下げられて、アタシは困惑する。

彼女なら、彼氏を好きだっていう女の子に、諦めて欲しいって思うのは当然かもしれない。

でもこの人に、頭を下げられるとは思ってもみなかった。

アタシのことなんて、ガキで恋敵になんて見てないと思ってたから。


「ほら、教師と生徒の恋愛なんて、実際何もなくても、噂されたらヤバいじゃない?健は、高校教師が昔からの夢だったから。あいつからその夢を奪わないで欲しいの。夏休み前に、2人で補習して、健があなたを帰り送ってたのも、少し問題になってたみたいだし。次変な噂でもたったりしたら…」


美和子さんの言葉に、アタシは衝撃をうけた。

問題になってたなんて、全然知らなかった。

健ちゃん何も言ってくれなかったし、その後も普通だった。

今だって、週末はあっちゃん家で暇な日は勉強教えてくれる…


アタシは、健ちゃんの必死でつかんだ夢を、壊してしまうかもしれない…


もしも、誰かに見られてしまったら、次は…


健ちゃんは…



きっと教師を続けていられなくなる。



< 202 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop