先生とあたしのヒミツ☆
「ねぇ、これは真剣な話しなんだけど、あなたが本当に健のこと好きなら、健のことは諦めて欲しいの。気持ちも伝えないで欲しい。」
いきなり美和子さんに頭を下げられて、アタシは困惑する。
彼女なら、彼氏を好きだっていう女の子に、諦めて欲しいって思うのは当然かもしれない。
でもこの人に、頭を下げられるとは思ってもみなかった。
アタシのことなんて、ガキで恋敵になんて見てないと思ってたから。
「ほら、教師と生徒の恋愛なんて、実際何もなくても、噂されたらヤバいじゃない?健は、高校教師が昔からの夢だったから。あいつからその夢を奪わないで欲しいの。夏休み前に、2人で補習して、健があなたを帰り送ってたのも、少し問題になってたみたいだし。次変な噂でもたったりしたら…」
美和子さんの言葉に、アタシは衝撃をうけた。
問題になってたなんて、全然知らなかった。
健ちゃん何も言ってくれなかったし、その後も普通だった。
今だって、週末はあっちゃん家で暇な日は勉強教えてくれる…
アタシは、健ちゃんの必死でつかんだ夢を、壊してしまうかもしれない…
もしも、誰かに見られてしまったら、次は…
健ちゃんは…
きっと教師を続けていられなくなる。