先生とあたしのヒミツ☆


アタシ達は図書館の近くの昔からある定食屋さんに入った。

ランチメニューを頼む。

「椎名ってさ、まだ例の隣の家のあっちゃんのコト好きだったりすんの?」

有也のいきなりの質問に、飲んでたお茶を吹き出しそうになる。

「何、急に。もう何とも思ってないけど。あっちゃん実は結婚してるし。」

「へー。じゃあ今は他に好きなヤツとかいんの?」


頭に浮かぶのはただ一人。

だけど言えるわけがない。

諦めるしかない思いは、何もないのと同じ…

「別に今は誰も好きじゃないけど。有也こそどーなのよ?高校入って、智子と別れてからさ。」

智子ってのは、中学時代、有也が付き合ってたアタシの友達で、高校が離れてから、自然消滅したって智子から聞いていた。


アタシが有也と同じ高校だから、智子から相談をうけてた時期もあったけど、今じゃ全然連絡とってないな。


「うーん、数ヶ月付き合ってた子はまぁいたけど、今年入ってからは別にいねーなぁ。受験でそれどころじゃねーし。」


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