先生とあたしのヒミツ☆


「…ってことで、朝のホームルーム終わりな。」

健ちゃんの声に席を立ち始める生徒達。

「あ、言い忘れてたけど、椎名今日放課後ちょっと残って。じゃ」

えっ!?

それだけ言うと健ちゃんは教室から出ていった。

「椎名~、お前また何やったんだよー」

クラスの男子にひやかされる。

でもアタシも思い当たることがない。

何もしてないし。

実技試験に向けて、髪だって黒いし!

「おぉー、美緒ちゃんまた放課後二人で居残りですか。これはいい感じなんでないのぉ?」

優がニヤニヤしながら言う。

いつの間にか3人とも集まってきてた。

「愛の告白が待ってたりっ!放課後の2人っきりの教室…キャー///」

美咲が勝手に想像して盛り上がってる。

「んなわけないっしょ。多分何か説教系じゃない?滑り止めやっぱ受けとけよ、とか。今さらだけど。」

ホントに呼び出される理由がそれぐらいしか思い当たらない。


「理由はなんであれ、美緒のコトをそれだけ気にかけてるってことじゃん。コレ、マジでいけんじゃない?」


4人の中で一番冷静な玲奈に言われると、ちょっとその気になってしまう。

でも今はダメ。

あと少しで卒業なんだから。

健ちゃんに迷惑かけるようなコトは絶対したくない。

一生片思いでもいい。


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