先生とあたしのヒミツ☆
健ちゃんが、卒業式にアタシをふってくれて、本当は良かったのかもしれない。
じゃなきゃアタシは、今ここにいなかった。
もし、あの時、健ちゃんと付き合っていたら、アタシは健ちゃんと過ごす時間を大切にしすぎて、練習にも身が入らなかったかもしれない。
そんな簡単に二位入賞出来ちゃう程、うちの大学は甘くないし。
実力のない者に、奨学金を与えてまで、留学なんかさせない。
もしかしたら、アタシはわざと練習を手を抜いて、留学しないで健ちゃんと一緒にいようとしたかもしれない。
二位入賞出来なければ、留学を諦める理由が出来るから。
そうやって、きっと、夢を諦めてたかもしれない。
努力もしないで、中途半端に大学を終えていたかもしれない。
健ちゃんの判断は、きっと正しかったんだ。
今だって離れるのは凄く辛いのに、一年前のあの日から付き合っていたら、アタシは今この場から、逃げ出していたかもしれない。
ありがとう、健ちゃん。
今は、健ちゃんの為にも頑張らなきゃって思えるよ。
自分の気持ちを押し殺してまで、応援してくれた夢だから。
きっと健ちゃんも凄くつらかったはずだから。
だから頑張らなきゃいけないの。
寂しくなんかない…
これは、別れじゃなくて、新しい始まり。