かみさまごっこ
4.それは祈りという名の呪い
「…………」
知らない人間の墓。だけど墓には「坂見」の文字。両親が眠っているらしい場所である。
頼んでもいないのに施設の人が調べてくれた。俺の両親は既にこの世界にはいない事、そしてこの場所。
別に再会なんてしたくなかった。だが施設の人は1度対面しておいでという。
だから仕方なく来てやっただけなのだ。花を添えて線香あげて知らない人間の為に手を合わせる。
祈る事なんてしない。ただ何も語りかけずに無意味にそうしているだけ。
「そっちに行くの、延期になった。だから安心して?」
そんな言葉が聞こえた。そちらを見れば、俺と同じ歳位の男とその親らしき人物。
手を合わせてまたあの祈りのポーズ。何をそんなに、と思ってしまう。
「蒼一、そろそろ行くわよ」
「分かった」
祈りを終えた男に親らしき人間はそう言った。そしてその親子はその場からいなくなった。
話しかけたって通じやしないのに。何だかふざけているように感じた。
知らない人間の墓。だけど墓には「坂見」の文字。両親が眠っているらしい場所である。
頼んでもいないのに施設の人が調べてくれた。俺の両親は既にこの世界にはいない事、そしてこの場所。
別に再会なんてしたくなかった。だが施設の人は1度対面しておいでという。
だから仕方なく来てやっただけなのだ。花を添えて線香あげて知らない人間の為に手を合わせる。
祈る事なんてしない。ただ何も語りかけずに無意味にそうしているだけ。
「そっちに行くの、延期になった。だから安心して?」
そんな言葉が聞こえた。そちらを見れば、俺と同じ歳位の男とその親らしき人物。
手を合わせてまたあの祈りのポーズ。何をそんなに、と思ってしまう。
「蒼一、そろそろ行くわよ」
「分かった」
祈りを終えた男に親らしき人間はそう言った。そしてその親子はその場からいなくなった。
話しかけたって通じやしないのに。何だかふざけているように感じた。