パンデミック
「おはよう!」

2年5組、これがオレのクラスだ。

全クラス6組、40人収容の全学年720人のはずだが、やめたやつもいるのでそんなにはいない。

「おはよう拓海!ったく最近大阪でもなんか雪がよく降るなぁ!」

こいつは山田修也(やまだ しゅうや)。

高1のときからクラスが一緒で部活も同じサッカー部。

確かに修也の言うとおり、2012年の冬、今年はよく雪が降る。

「こんだけ寒けりゃ風邪流行るわな!ハハッ」

修也は鼻水を垂らし笑っていた。

「風邪って…確かにこの時間になってこんだけしかおらんのか…」

8時35分が登校時間だが、30分になってもまだ20人ちょっとしか来ていない。

(キーンコーン…)

いよいよチャイムがなって担任の小川が入ってきた。

「出席を取りますのでみんな座ってくださーい!!」

小川は甲高い声でクラスに呼びかけた。

声は20代だが顔は40代のオバハンだ。

「今日も休みが多いですね。9人ですか。」

(ゲホッゲホッ…)

「1時間目は日本史ですのでみんな用意していてくださいよ。」

(ゲホッゲホッ…)

朝のHRが終わった。
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