パンデミック

感染爆発

―次の日―


「…は…はい…。わかりました…。…今日の晩に向かいます。」


池垣美園(いけがき みその)。

高校のクラスメートである。

そして12月25日今日、



訃報が入った―


オレの頭の中は街に降り積もる雪のように真っ白になった。



―夜―


「ご遺族との御関係者はこのマスクをご着用ください。」

(…!?)

受付で鼻と口を防ぐマスクを渡された。

普段はこんなこと葬式では有り得ない。


「よっ、拓海…」

受付を終え、呼ばれた後ろを振り返ると、そこに修也がいた。


「池垣のやつ…新型インフルエンザだって…。」

(…だからか…)


(ポクポクポク…)

中に入ると式がもう始まっていた。


満面の笑顔の池垣の写真と、綺麗に飾られたたくさんの花。

この花は生前の池垣が好きだったスミレの花らしい。

式には家族や親戚以外にもたくさんの友達が来ていたが、


未だに実感が湧かない…。


(ポクポクポク…)

「○%#◇◎■*…」

仏教徒ではないのでお坊さんが何を言っているのはわからなかった。


「池垣…」

(本当に死んじまったのか…?)
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