パンデミック
―院内―

(ドッドッ…)

(ピーッ…)

「くそっ!!死体を表に出して!!」

「先生、呼吸器が足りません!!」

「タミフルがなんで効かんねん!?」


医師の疲労も限界に近づいている。

(…ドタバタ!!)

勢いよく病室に女の看護師が入ってきた。

「みなさん…、医院長が講堂に集まれと…」

『!!!!!?』



―講堂―

「みんな集まったかな?作業も残ってるため速やかに説明したい。」

講堂と呼ばれる会議室の中の一番前に医院長と一人の男の人が座っていた。

「今日集まってもらったのは、ここにいる長嶋君を紹介するためだ。」

そう医院長が言うと長嶋と呼ばれる男が立ち上がって話し始めた。

「…はい。僕がWHOから来た長嶋総一郎(ながしま そういちろう)です。」

(……WHO…?)

「僕がここに来たのは、この新型インフルエンザ問題を解決するのに一番いい場所だと思ったからです。なぜかと言うと…」

みんなは長嶋の言うことに聞き入っている。

「なぜかと言うと、大阪には微生物の研究所が多いわけではないけれど、技術がある。
僕は昔、アフリカでのエボラ出血を押さえ込むのに貢献しました。
何よりも早くワクチンを完成させ、問題を解決しなければならない。
ご協力お願いします。」

(…パチパチパチ…)

拍手がたちまち起き、歓声があがった。

「これからは僕も現場に行きます。よろしくお願いします。」
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