パンデミック
「教授…今外で何人が死んでますか…?何人が感染から回復しましたか…?」

「…知らん。」

知らないわけがない。

感染者は60万人を超え

死者も5万人を超えている。

寝たきりの研究員以外は唯一情報源のテレビでしか

外の状況を知ることができない。

またその情報しか研究に繋げる道がなかった。


(長尾達の命もいつまでもつか…)


―草野家―


「…はい。…はい…。…わかりました。…」

真理の母親は誰かと電話している。


(…深刻な顔してどぉしたんだろ…?)

真理は夕食の味噌汁をすすった。

(…ガチャ。)

「…真理?」

受話器を置いた母親は真理に話しかけた。

「…何?誰と電話?」

「あのね…お父さんがね…」

(…お父さん?)

「ちょっとお母さん、ウチの前でお父さんの…」

「北海道の病院で入院してるんだって。…新型インフルエンザの疑いで…」

「……!!?」

(…なんで…)
< 38 / 38 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

バトルロワイヤル

総文字数/181,037

青春・友情358ページ

表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop