パンデミック
「行ってきまーす!!」

オレは家に帰るなり荷物を置き、制服のまま家を飛び出した。

「ハァ…ハァ…」

待ち合わせの時間は6時。

だが今は6時30分に差しかかろうとする時間だった。

(まだ待っててくれてるかな…?)

唾を飲み込むのも忘れ、目的地の“三角公園”に着いた。

(…ギィコ…ギコ…)

「ハァ…ハァ…真理か…?」

ブランコをこぐ黒い影がブランコを止め、こっちに向かってきた。

「あー、拓海や!超久しぶり!」

蛍光灯の下に来ると明かりで顔がわかった。

「…………」

オレは真理の顔を見ると言葉が詰まった。

「何あんた?まさか5年ぶりに会って緊張してんの?」

真理のそんな様子を見て緊張が一気に解けた。

「するわけねーだろ!!ったく全然変わらんなぁ!でも…」

「でもなに…?可愛いって?」


「でも大きくなったな……胸!」

(ゴンッ)

頭をゲンコツでど突かれた。

「拓海って昔と変わったね。なんか昔よりエロくなった!フフ」

「当たり前やろ!高2つったら思春期まっさかりやし!ハハ」

でも真理が言ったとおりだった。

(可愛くなってる…。)

昔から可愛いとは想っていたけど5年越で見ると胸が締め付けられた。


オレと真理は公園のベンチに座り話始めた。

5年という壁があったがそんな壁は発泡スチロールのごとくすぐにたたき壊された。

いくら話しても足りないくらい話題は出てきた。
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