片想い・・・君しかみえない。

昨日下見してたおかげで
迷う事なく海へと向かう

途中
信号待ちで

「大丈夫?」

と聞くと

「うん!全然大丈夫!
 楽しいね!先輩!」

だってさ・・・

う・・・うれしい・・・

もうすぐ峠が出てくる
この峠を越えると
海が見えてくる

徐々に
右へ左へとカーブが
多くなり

信号もなく車も少なく
あまりのうれしさと
気持ちよさとで
思わずアクセルを
開き気味にしてしまう俺

すると
彼女の左手が一瞬俺の肩から
外れ
両方の手が俺の腰にまわる・・・

『ドキッ!!』

とした!

そんなにはきつくはないけど
でもかすかにギュッされ
俺の背中と彼女の胸の間の
空間がなくなった・・・

ライダースの所為で
彼女の胸がどうとかは
分からなかったけど

でもたしかに
彼女のぬくもりを感じた・・・

そのまま何も言わず
峠の頂上付近の
休憩所が見える頃・・・

「ちょっと休憩する?
 何か飲む?」

大きな声で彼女に尋ねた

「うん!
 いいよ!」

彼女も大きな声で答えてくれた

休憩所に止まり
エンジンを切る

静まり返った峠に
たまに通り過ぎる車の音と
エンジンの“キンキン”と
いう音がこだまする・・・


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