片想い・・・君しかみえない。

妄想爆発中

彼女の降りる駅は
俺の降りる駅よりも
まだ先。

朝はいつも寂しそうに

「じゃあ、帰りね」

って

ギュウギュウ詰めではない
車両の中で
ばれないように
そっと
ギュッと手を握ってくる。

「うん。帰りな」

って

俺も
そっと
ギュッと握り返す。


帰りは帰りで、ホームに入ってくる
電車の中から
俺を見つけては
ものすごく笑顔で
小さく手を振る。

俺も
指先だけ
クイクイッと動かして
手を振る。

至福の時間。。。。。

小声で俺が言う。

「みんな、別の車両に行けば
 いいのに・・・。」

「フフ。そうだね。」

と、彼女。

今日、学校であった事や
昨日のテレビ。
読んだ本の事やら
マンガの話。

ちなみに
彼女の高校は女子高だ。
だから、男の心配はいらない。
なんてすばらしい彼女なんだ! ヒヒ。

駅に着いて
ゆっくりゆっくり
自転車置き場まで
歩いて行く。

隣同士に並べた自転車の
鍵を開けるのも
ゆっくりゆっくり・・・。

そうして
朝とは違って
自転車は乗らずに
押して歩く。

ゆっくりゆっくり・・・。

彼女の店の
すぐ裏にある公園の
ベンチに腰掛け
くだらない話を

ゆっくりゆっくり

する。

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