チャンドラの杯
目の前に人の骨があった。それも無数に散らばっていた。
『こいつは注文の多い料理店だねえ』
骨の上に伸びた影法師が鼻を鳴らした。
「・・・・・・料理店?」
『ご馳走を食べに行ったら、自分たちがご馳走にされるんだね』
「ごちそう?」
叶月さんのおかげで、今夜はごちそうが食べられるよ。白い花の少女の無邪気な顔が、骸骨に重なって目の前をちらついた。
『ここの人たちはずっとこうして来たんだろうねえ』
「早く殺せ!」と、後ろで誰かが叫んだ。
振り仰いだ先に、私の刀を持って振り下ろす貫頭衣の姿があった。
「うぐ? こいつ!」
貫頭衣が怒声を上げた。私は振り下ろされた刀を、刀身を握って止めていた。握り締めた指の間をぬるぬると温かい血液が流れる。
「あなたたちは・・・・・・」
ぐい。刀を引く。思いもしなかったその力に抗えず、貫頭衣の手から柄が抜けた。
「あなたたちは、この村を訪れた旅人を──食べてきたのですか!」
怒りと額から滴り落ちる血液で、私の視界が赤く染まった。
『こいつは注文の多い料理店だねえ』
骨の上に伸びた影法師が鼻を鳴らした。
「・・・・・・料理店?」
『ご馳走を食べに行ったら、自分たちがご馳走にされるんだね』
「ごちそう?」
叶月さんのおかげで、今夜はごちそうが食べられるよ。白い花の少女の無邪気な顔が、骸骨に重なって目の前をちらついた。
『ここの人たちはずっとこうして来たんだろうねえ』
「早く殺せ!」と、後ろで誰かが叫んだ。
振り仰いだ先に、私の刀を持って振り下ろす貫頭衣の姿があった。
「うぐ? こいつ!」
貫頭衣が怒声を上げた。私は振り下ろされた刀を、刀身を握って止めていた。握り締めた指の間をぬるぬると温かい血液が流れる。
「あなたたちは・・・・・・」
ぐい。刀を引く。思いもしなかったその力に抗えず、貫頭衣の手から柄が抜けた。
「あなたたちは、この村を訪れた旅人を──食べてきたのですか!」
怒りと額から滴り落ちる血液で、私の視界が赤く染まった。