チャンドラの杯
「これが、妖精?」
「そうだよ」
「これなら知ってるもん。妖精なんかじゃないよぉ」
ソーマは口を尖らせてそんなことを言い出した。ココがほっぺたを膨らませる。
「妖精だよ」
「違うよぉだ。これは虫だよ」
「虫?」
僕とココはキョトンとなる。
「そうだよ、これは虫だよ」
僕らは笑い出した。
「虫には羽は生えてないよ」
「虫はホラ、地面を歩いてるのだよ。虫は空を飛んだりしないもの。これは妖精だよ」
今度はソーマがキョトンとした。
ふと顔を上げると、シドは少し離れた場所から優しそうに目を細めて僕たちを見ていた。
その目はどこかマザーの眼差しに似ていた。
「そうだよ」
「これなら知ってるもん。妖精なんかじゃないよぉ」
ソーマは口を尖らせてそんなことを言い出した。ココがほっぺたを膨らませる。
「妖精だよ」
「違うよぉだ。これは虫だよ」
「虫?」
僕とココはキョトンとなる。
「そうだよ、これは虫だよ」
僕らは笑い出した。
「虫には羽は生えてないよ」
「虫はホラ、地面を歩いてるのだよ。虫は空を飛んだりしないもの。これは妖精だよ」
今度はソーマがキョトンとした。
ふと顔を上げると、シドは少し離れた場所から優しそうに目を細めて僕たちを見ていた。
その目はどこかマザーの眼差しに似ていた。