21世紀人のカルテ
翌日、俺は予告した駅のホームにいた。



ちゃんと黒のコートを着て。


冬とはいえ、全身真っ黒のコートに身を包んで、なおかつ手ぶらの人間は俺くらいだった。



時刻は8時45分。



駅のホームは沢山の人々でごったがえしていて、絶えずうごめいている。



俺という存在が一人、静かにたたずんでいる。



不思議と俺は冷静だった。


行き交う人々の顔を細かに観察できている



警察官はいないようだ。


あれだけ明確な犯行声明をだしたのだから、警察に目をつけられて、駅の警備が強まるかと思ったが、
駅のホームはいつもと同じで警官がパトロールをしている姿は見えない。



俺という存在はあまりにも軽視されすぎている。



警備が薄いんだから喜ぶところなんだろうが・・



まあ、いい。


俺はやるべきことをやるだけだ。
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