【短】みるくちょこ

ぎゅっと携帯を握る力を強め、
口を開いた。



「ごめんね」



「謝るなって。
本気で好きな人が分かったんだろ？」



ハルくんの言葉に声が出ない。



何で？



何で知ってるんだろ。



本人ですら今気づいたってのに。



「･･･っ何で･･･」



「美波の顔見てたら分かるよ。
鈍い美波のことだから、
もっと傍にいられると思ったのにさ」



案外早かったよって、
悲しげな顔が電話の向こうに見える。



ハルくんは知ってたんだ。



私がすでに誰かを好きになってたってこと。



それでも告白してくれて、
傍にいてくれたんだ･･･。