【短】みるくちょこ
「付き合ってみたら、
好きになれるかもしれないじゃん」
「まぁな」
タクさんはすでに綺麗なグラスを
きゅっきゅと磨いている。
まだ、夜は始まったばかりで、お客は私一人だった。
振られたらとりあえず来るから、制服の時もある。
さすがにまずいから、お客が着始める時刻になると帰る。
でも今日は休日で、私服だから、もう少しここに居られる。
ふと、壁に貼ってあるポスターに目を奪われる。
『バレンタイン限定イベント』
そう書かれてあって、
どこかのクラブでイベントがあるという告知だった。