−形のなぃモノ−
深夜の静かな場所でぁたしたちの乗るゅうの車のエンジン音だけが鳴っていた。








『お前さ、本当に別れたい?』




『ぅん…。』



『何で?』





『もう苦しいの。ぁたし今何も自由がないじゃん!自分が浮気したの悪いって思ぅけど、これじゃ息がつまるよ。』






ぁたしがそう言うとゅうは黙り込んだ。




『ぁたし多分また浮気するよ』


そう言った瞬間、ゅうが凄い勢いでぁたしの胸倉を掴んだ。




『ぁたし治らないよ。浮気癖。それにゅうだって遊びだったんでしょ?』

パンッ…


下を向いたままだったゅうが、ぁたしの頬を叩いた。


ぁたしは痛さよりも手を出された事に驚いて言葉も出なかった。



『お前、ずっと俺の事好きとか、結婚したいとか…もう浮気しなぃから信じて…とか…ぁれ本気だった?』



ぁたしはまだ呆然としたまま言った。





『ゅう…。ずっとなんてないんだよ?』



『だからあの時言った言葉は本気かどうか聞いてんだよ!』



ゅうの声が震えていた。




『わかんなぃ…。』



『何それ…』



ゅうに本気だったかって聞かれて、考えてみると
正直、本気かどぅかわからなくなった。


『もぅいいわ。』


ゅうは呆れたような顔でぁたしを見て言った。



『じゃぁ、帰るね…。さよなら。』


ぁたしは掴まれて形の崩れたコートを直し、車から降りた。





ぁたしが降りた後
ゅうはすぐに車を出した。
いつもならクラクションを2回鳴らして
手を振っていた。


でももぅそれはなぃ。




ぁたしの胸からは
モヤモヤとか
イライラとか
そんな感情は消えていた。




《やっと別れられた》


そぅ思った。




冷たい空気の中
ぁたしはゅうに叩かれた頬に手をあてた。





《終わったんだ…》



重い束縛から
離れられた。
今日からぁたしは

また一人…。



冷たい頬に
涙がつたった。

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