心 ―ハジマリノウタ―
第一章
My Heart
私の心は闇に囚われ、鎖で繋がれた。
私には生まれたときから心が無い。
私は、心を持たず生きてきた。
そして今も、私は心を失くしたまま生きている。
動く心臓。
全身に回る血液。
走れば息も乱れ、
殴られれば痛いと感じる。
けれど、私には心が無い。
私には、心が分からない。
私の心は今、何処にあるのだろう?
繋がれた鎖は、何時か錆び、滅ぶのだろうか?
いや、たとえ鎖が打ち砕かれ、
粉々になったとしても、
心は私の元へ戻ってはこないだろう。
寂しい
哀しい
嬉しい
楽しい
知らない、そんなモノは。
私に残されたのは、
虚しさ
ただ一つだけ。