心 ―ハジマリノウタ―
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灰が空を自由に舞う。
私は、その中でただ歌い続けた。
背後で扉が開く音がした。
「ユア……?」
ロックの声だ。
しかし、私は振り返ることも無く、
歌い続けた。
涙を流し、私は歌う。
私はいつまで歌い続けるつもりなのだろう?
そんなことは、どうでもいい。
涙が、声が、
枯れるまで。
「リヴィア?!」
私の腕に抱かれているリヴィアに
気がついたロックが声を荒げ、駆け寄ってくる。
そして、そのままリヴィアを抱え上げると、
扉の奥に消えていってしまった。
残された私は、屋上の真ん中で
座り込んだまま、最後の涙を落とした。
「ユア!
リヴィアはどうしたんだ?
お前が歌っていたのか?」
ジグが、私に掴みかかる。
私は何も言わなかった。
言わなかった?
相変わらず、分からないことだらけだ。