心 ―ハジマリノウタ―
「どうしても任務が必要だというなら、
治療室へ行って、怪我人の手当てをしてほしい。
もし、リヴィアも具合がいいなら、
レイと残った能力者たちと、町を巡回して警戒してほしい。
最近動向が無さ過ぎる気もするからね」
手は無かった。
私たちはそれ以上食い下がることはできず、
許可を得ることもできなかった。
その数日後、
集合のブザーが鳴りアジトの人間がリビングに集められた。
内容は、ロックの任務の事、彼の留守中は、
ジグがリーダーになる、ということだった。
ロックとその能力者たちは、
その日の夜、アジトを後にした。
そして、その更に数日後、
……ロックは姿を消した。