心 ―ハジマリノウタ―
「どういうことだ!
先ほどとは、様子が全く違うではないか!!」
怒鳴り声で目が覚める。
この声は、ジグだ。
身体を起こそうとして、
頭に鈍い痛みが走る。
「…っ!」
額に手をやって体を起こすと、
何かがひらりと布団の上に落ちた。
触れてみると、ぬれているのが分かる。
どうやら誰かが頭を冷やしておいてくれたようだ。
「ユア!アンタ、大丈夫…?」
私が目を覚ましたことに
気がついたリヴィアが私に抱きしめる。
フワリといい香りに包まれて
ホッとする。
ああ、私…
私…?
何故、ここにいるのだろう?
私は…
「あ…、私は…」
「大丈夫、ユア、落ち着いて。
大丈夫だから」