心 ―ハジマリノウタ―
部屋に戻って、
合図を待つ。
暫くして、
壁のスピーカーから
一瞬雑音が流れたかと思うと、
ジグの声が響いた。
『能力者たちよ、機は熟した!
我らの力で工場を
ドレイを
倒して見せよう。
任務に命を捧げた同胞に!
奪われた命に!』
鼓舞するような言葉を並べ立てた後、
ジグはドレイ工場へ向かうよう、
指示を出した。
リヴィアは放送が切れたのを
確認すると、
「ハッ、安っぽい言葉だねぇ。
ユア、行くよ。
あたし達の目的は、
リオとメイの救出だ!」
「そして、ロックの捜索、ですよね?」
私の言葉にリヴィアは
目を丸くして、頷いた。
そして、にっこり笑うと言った。
「それじゃ、3人ともまとめて救い出して、
戦闘の援護に回ろうじゃないか!」
その言葉で、私たちは
アジトを出た。