心 ―ハジマリノウタ―





「じゃあ、決まりだね。

もう夜も遅いから、

残りたい人以外は寝ていいよ」




ロックと呼ばれた男がそう声をかけると、

人々は次々と部屋を去っていった。


七人を残して。


残った者が回りに集まってくる。


老人が自分の他の六人の顔を眺めると、

頷いた。





「よろしい。

では、行こうか、ロック」




彼が頷くと、周りの者も老人について

部屋を出た。


主様が私を振り返って言う。





「ついてきて下さい」




私は主様の言うとおり、部屋を出た。


振り返ることもなく。







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