心 ―ハジマリノウタ―
一瞬ひやりとしたかと思うと、
私は部屋の中へ入っていた。
その部屋は薄暗く、青い炎の光だけが
辺りをぼんやりと照らしている。
奥の壁には、大きなクリスタルがあった。
壁一面に広がるその原石は美しく、
圧倒されるほどの存在感を放っていた。
クリスタルは炎の踊りに合わせ、
きらきらと輝いていた。
床や壁、天井、いたるところに
青いガラスと透明なガラスの
タイルがちりばめられていた。
私はその光景を眺めた。
何も感じることは出来ない。
何もそこから感じることは
許されない。