心 ―ハジマリノウタ―




白い肌、白い髪、白い瞳、

美しくも冷たい瞳の彼女は、

同じように私を見返していた。




『貴方は誰?』




彼女はそういった。


その途端、部屋に吹き荒れる風が

荒々しさを増した。


けれど、クリスタルに触れた手は

張り付いたように離れない。


その間も、少女は私に問う。


その声はだんだんと大きくなるようだった。




「貴方は、誰?

誰、

誰?」





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