心 ―ハジマリノウタ―
「ダイガさん!
どうか、俺たちをここに置いてくれませんか?
俺たちはどうしても、
ユアを助けなきゃいけないんだ!」
そう叫んだレイに、
ダイガの隣に居たレイの師匠、ラインが
拳を落とした。
ガツという鈍い音と共に、
レイが頭を押さえてうずくまった。
あれは、痛そうだ。
「レイ!
お前は礼儀をまず弁えろ」
「まあまあ、ライン。
もちろん、ここに置くことは構わないさ。
任務には就いてもらわにゃならんがな」
了承したダイガは、
少し考え込むと、慎重に口を開いた。
「実はなあ、お前らがここにくるのは、
分かっていたんだ」
ダイガの口から、今一番聞きたくない名が飛び出た。
そして、驚くべき事を口にする。
「ジグから、連絡が来たんだよな。
知ってのとおり、南西区域に入るためには
連絡がないと、ドレイ探知に
能力者もひっかかっちまう。
だが、それにひっかからずにここまで、
お前らが来れたのは、ジグの連絡があったからだ」