心 ―ハジマリノウタ―
私の答えを聞くと、
少女の白い瞳がきらりと光ったように見えた。
後ろで誰かが後ずさりしたのが
視界の隅に映った。
『そう。
ならば、貴方は何故生きるの?
何の為に生きているの?』
何故?
何の為?
私は、何のためにも生きていない。
私には、分からない。
「分からない…」
私が奴隷ならば、主様のために?
私が人間ならば、愛のために?
私が心亡き者ならば、心のために?
私は何の為に生きる?