心 ―ハジマリノウタ―
彼女の手はひんやりとして冷たかった。
やがてその手は、私の度を締め付け始めた。
その力は時間がたつにつれて、
力を増していく。
息が苦しい。
体が酸素を求め始める。
それでも、私は
光が視界を浸食していくのを
何もせずに、ただ眺めていた。
抵抗など、無用だった。
後ろのほうから声が聞こえた。
「とめなくちゃ!
彼女を見殺しにするんですか!?」
主様の声…。
それを止める声。
ジグという老人の声だ。
「そうではない。落ち着け」