心 ―ハジマリノウタ―
「リヴィア?
大丈夫ですか」
はっと我に返ると、
ダイガが心配そうにこちらを見ていた。
あわてて頷いておく。
ジグは何故、送らなかったのか。
これは、もう少し
考えてみる必要がありそうだ。
「それで、何かその件で
気になる事でも?」
今はまだ、何も分かっていない。
証拠も何もないのに、
誰かに広めるようなことはしたくない。
…ダイガには、まだ黙っておこう。
あたしは首を振って、こう告げた。
「いえ、何も。
ただ、ロックの事を考えていて…」
「…アイツはいい奴だった。
もったいない事をしたよな」
もったいない?
何が?
ロックが死んだとでも言いたいのだろうか?
ロックは、死んでない。
あたしは、そう信じてる。