心 ―ハジマリノウタ―



その疼く何かを突き止めることが出来ないまま、

目的地に着いた。


カトレアは再び現れた金の輪の中に

吸い込まれて消えた。


フェイクも同じように姿を消した。


私もそれに倣おうとした。


この闇に足を踏み入れれば、

もう本当に私は敵となる。


敵として姿を現し、

敵として、人を襲う。


それでも…

私は大切なモノを守りたい。


私は足を踏み出した。


私が次に外の世界を見たときには、

戦闘が既に始まっていた。


いや、それは戦闘ではなかった。


殺戮だった。




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