心 ―ハジマリノウタ―
自由。
そうなのだろうか?
でも、そんなこと、私には関係ない。
私に、望みなど抱けるはずもないのだから。
私に、感情など、思いなどないのだ。
声は笑った。
「それも違うわ…。
貴方の心はこの世界の何処かにある…。
必ず存在しているわ…。
それを見つけ出せれば、
貴方の元へ戻ってくるはず…!
けれどそれも、貴方が望めばのこと…」
私が、望めば…?
私に望みなどない。
私にはもう、何も無い。
奴隷は主取られれば、全てを失う。
私が奴隷でないのなら、
主様を失い、心もなく…
私には何も無い。
私に残されたのは、孤独。
ただそれだけ…。