心 ―ハジマリノウタ―
しかし、その考えさえも
声は否定してしまった。
『それもまた、誤り…。
我等は貴方に力を与えた…』
声に、白いクリスタルの少女の声が重なる。
この声もまた、クリスタルの声なのだろうか?
けれど、もう、この声を聞くことはないだろう。
私には、何の関係も無いのだから。
それでいい。
『我等は貴方に力を授けた…。
貴方にはそれを使いこなす力が
きっとある…。
それを見込んで貴方を選んだのよ…』
私には関係ないのだ。
力などない。
ほしいと思ったこともない。
思えるはずもない。
願う心がないのだから。
私は、不変。
私は、永遠にこのまま。