心 ―ハジマリノウタ―
「名前、ユアって言うんだって?
まだ、能力見つかってないんだよな?」
私は、ハンバーグを口に運んだ。
そして、頷く。
「見つかんない方がいいかもな。
見つかったら、
任務に借り出されるんだ」
レイは、今日も奴隷を
退治してきたといった。
その顔は得意そうでもあり、
疲れている顔でもあった。
ドレイと戦うことがどんなことなのか。
私には何も分からなかった。
ただレイが疲れた顔をしていて、
頬に傷をつくっていることは、
誰が見ても明らか。
私も、戦うことになるのだ。
それでも、何も感じなかった。
何も、感じられないのだ。