心 ―ハジマリノウタ―





「ユアは、歳はいくつなの?」




私がハンバーグを食べる様子を

眺めながら、

レイが尋ねた。


私は、一瞬考える。


教育を受けていたのは、8年間。


働いていたのは……




「15です」




私は、ぎこちなく答えた。


レイは、私の答えを聞いてニカッと笑った。




「そっか。俺は、16歳。

ここでは、成人していない奴が

俺とユアを合わせて、7人しかいないんだ。

あそこに座ってんのが…」




レイは私に説明してくれた。


ソファの端に座っている、

茶髪の女の子は私と同じ15歳。


ウェーブがかった茶髪を肩の上で切りそろえている。


その耳には一つ、小さな赤いピアスが光っていた。



「あいつは、リブラー。

皆からはリブって呼ばれてる。

でも、あんまり誰とも

仲良くないんだ」




< 99 / 534 >

この作品をシェア

pagetop