心 ―ハジマリノウタ―
「ユアは、歳はいくつなの?」
私がハンバーグを食べる様子を
眺めながら、
レイが尋ねた。
私は、一瞬考える。
教育を受けていたのは、8年間。
働いていたのは……
「15です」
私は、ぎこちなく答えた。
レイは、私の答えを聞いてニカッと笑った。
「そっか。俺は、16歳。
ここでは、成人していない奴が
俺とユアを合わせて、7人しかいないんだ。
あそこに座ってんのが…」
レイは私に説明してくれた。
ソファの端に座っている、
茶髪の女の子は私と同じ15歳。
ウェーブがかった茶髪を肩の上で切りそろえている。
その耳には一つ、小さな赤いピアスが光っていた。
「あいつは、リブラー。
皆からはリブって呼ばれてる。
でも、あんまり誰とも
仲良くないんだ」