World of Game
「なに……?」


小夜は小声でつぶやいた。

足はすでに震えていた。恐怖が手伝って無意識に走り出した。


狭い穴の中、そんなスピードも出ない。


しかし何かに見られてるような感覚が全身を襲った。




出口が見えた。
急いで出た。
ただ、山の斜面であることを忘れていた。
飛び出た瞬間文字通り小夜は転げ落ちた。


「小夜ちゃんみっけ!! …どうしたの? 泥んこだよ?」

「あ、うん。転んじゃった」

「大丈夫?」

「うん!」


そのとき、楽しい時間の終わりを告げる5時の鐘が鳴った。

「バイバーイ!!」

皆と別れて家路を歩き始めた。


「お嬢さん、ちょっといいでしょうか?」

「え?」




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