World of Game
「ここでは、皆働かなくちゃいけないんだ。君にぴったりの仕事がある。それをやらせてあげよう」

「どんなお仕事なの?」

「そうだなぁ……君はただそれを見ているだけでいいんだ。見て覚えるだけで」

「それだけでいいの!?」

「そうさ、だから言ったろう?君にぴったりの仕事だって」


なすがまま、男の話を聞き頷いた。

男が身をかがませたことで、初めて自分が床に寝ていることに気がついた。

体を起こすとクラッとした。

「無理はしないで」


男に抑えられ、また寝転ぶ。
しかしそれでは悪い気がしてならなかったが従った。

「これに着替えて、それから一回お家に帰ろう」

「お家に?」

「そうだよ、お家に帰ってご飯を食べてよく寝て、明日になったらまた此処で会おう」

「うん」

男に助けてもらい、立ち上がると、クラクラするのを我慢して白い部屋のドアを開けた。


目の前に広がるのは、いつもの公園の帰り道。
小夜は目を丸くした。


「此処は秘密の部屋。他の人には見えないんだ。さあ、お帰り」

何故かこの町が大好きだという気持ちが湧き上がった。
そして家まで走って帰った。



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