World of Game
その後、仕事の終了時刻まで暇な小夜は研究室を見て回ることにした。
見れば大体のことはわかるほどに小夜にまで小夜は知識を記憶していた。


あったのは試験管やフラスコ、研究の記録だった。

これを見て小夜は弥生が先ほど小夜に与えた実を作るのにどれほどの時間、そして手間がかかっていたのかを知って驚いた。

ゆうに2年はかかっている。

実の名前はまだ決まっていないようで『解毒用の実』としか書かれていなかった。

こいつの覚悟はハンパじゃない、と小夜は思った。

皆いなくなり、一人になってからずっと研究してようやく出来上がった実。


それをすべて敵に気付かれないように秘密裏に行っていたのだ。

苦労を得てやっと気を許して(許しているかは定かではないが)すべてを打ち明けることの出来る相手に出会うことができたのだ。


せめて、私はここにいる間弥生の味方でいよう


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