World of Game

作成

翌日から小夜は誰よりも早く(研究室に寝泊りしている弥生をのぞくが)研究室に入り、コンピュータに向かった。

「お前、何作ってんだ?」

弥生が牛乳を飲みながら聞いた。

「新型体感ゲーム♪」

「は? んなもん作ってどうするんだ?」


小夜は奥に行って書類の束を持ってきた。


「これ、昨日あんたが寝てる間に見た」

「! それはあの『実』の――」

「そう。これを元にしてあの『実』の成分をプレイヤーの体に注入するの。
そうすれば、皆正気に戻れるでしょ」


弥生はしばらく黙っていたが、どうだかな、と一言漏らした。

どういう意味よ、と小夜は弥生を睨んだ。


「まず、出来上がったら上の奴らに見せなきゃならない。そこで仕組みがばれたら終わりだ。

お前も正気だってばれてまた操り人形か奴らの餌食になるだけだ」


そういわれて小夜は黙り込んだ。



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