World of Game
弥生の言葉に甘えて中庭にでる。


柔らかな緑と太陽の光を反射する噴水。

このミスキアの時にある小夜の知る唯一の太陽は、やはり気持ちのいいものだった。


「やあ、№1073君。調子はどうかね?」

「!!」


それは小夜を此処に連れてきたあの『男』だった。
驚きはしたものの、動揺はしない。

「お久しぶりです。おかげさまで元気にしています」

「それは何より。これからも頑張ってくれたまえ」


あの『男』もアンドロイドだと弥生から聞いている。

はっきり言ってはじめは驚くばかりだった。
何せ、人間からアンドロイドになってもアンドロイドとして造られているものも、人と全く見分けがつかないのだ。

ただ、なんとなく人がそうでないかは小夜にもわかるようになってきた。

でも、油断は禁物。


この怯えた生活からもあと少しで開放されるんだ。



もう少しの我慢




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