World of Game
過去からの使者
桟桐高校(さんどうこうこう)の放課後はなんの変わりもなく過ぎようとしていた。
「小夜(さよ)終わったよ!! 帰ろう!!」
「ようやくか、全くあんたの先生はどうなってんの? いくらなんでも長すぎる」
桟桐高校に通う一年生、砺波小夜(トナミ サヨ)は呆れた顔で手にしていた本をパタン、と閉じた。
セミロング黒い髪とよく言えば凛々しく、ともすればなんでもないのに睨んでいると見られるその目は眉間にシワをよせ、腕時計を見た。
「もう夕方じゃん! 本当になんだよ。あの先生は! 待ってる方の身にもなれ!」
「まあまあ、おさえて抑えて」
「あんたが言うことじゃないでしょ?」
小夜をなだめるように笑うのは、里山早苗(サトヤマ サナエ)だ。
柔らかい茶髪は軽い縦パーマを織り交ぜ、後ろで小さくひとつにまとめられている。
早苗は明るい性格だがおてんばでよく問題を起こすし巻き込まれる常習犯であり先生もうんざりしているものの説教はするため、おのずとその時間は延びていく。
小夜はそれを大体図書室かパソコン室で暇をつぶす。
そして必ず先生に対しての文句を言うのだ。この日もそうだった。
この二人は、いつも帰りに行く、いわゆる行きつけのミセがあった。
名を『time cafe』 別に名前に特に意味はないらしいけど、小夜の知り合いが経営するカフェで丁度学校からの帰り道にあるため二人はよく行くようになっていた。
夜はバーとしてやっている以外には普通のカフェだった。
「小夜(さよ)終わったよ!! 帰ろう!!」
「ようやくか、全くあんたの先生はどうなってんの? いくらなんでも長すぎる」
桟桐高校に通う一年生、砺波小夜(トナミ サヨ)は呆れた顔で手にしていた本をパタン、と閉じた。
セミロング黒い髪とよく言えば凛々しく、ともすればなんでもないのに睨んでいると見られるその目は眉間にシワをよせ、腕時計を見た。
「もう夕方じゃん! 本当になんだよ。あの先生は! 待ってる方の身にもなれ!」
「まあまあ、おさえて抑えて」
「あんたが言うことじゃないでしょ?」
小夜をなだめるように笑うのは、里山早苗(サトヤマ サナエ)だ。
柔らかい茶髪は軽い縦パーマを織り交ぜ、後ろで小さくひとつにまとめられている。
早苗は明るい性格だがおてんばでよく問題を起こすし巻き込まれる常習犯であり先生もうんざりしているものの説教はするため、おのずとその時間は延びていく。
小夜はそれを大体図書室かパソコン室で暇をつぶす。
そして必ず先生に対しての文句を言うのだ。この日もそうだった。
この二人は、いつも帰りに行く、いわゆる行きつけのミセがあった。
名を『time cafe』 別に名前に特に意味はないらしいけど、小夜の知り合いが経営するカフェで丁度学校からの帰り道にあるため二人はよく行くようになっていた。
夜はバーとしてやっている以外には普通のカフェだった。