World of Game

家と称された場所に帰るのはいつも憂鬱だった。

記憶の中の父と母と同じ声色の全く似ていない鉄の塊がいる所になんて帰りたいと思うわけがない。

弥生もそれを汲み取ってくれたのか、研究室にいるときはあまり帰れ帰れとは言わなかった。


それなのに、一番大事な日にこんな苦痛を知らしめるの?

そんな思いが頭の中をぐるぐると回っている。


久々に聞いた二人の声に、家が恋しくてたまらなくなって、鉄の塊2体には目もくれず入ったベッドの枕を最後の日にして濡らした。



だからこそ、改めて思った。



絶対自分の時に、自分の家に、自分のいるべき場所へと帰るのだ、と。





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