World of Game
「こんちわー」

「おお、来たね二人とも」

「今日もいつものね〜」

カウンターの前を通り過ぎながら小夜がいった。

time cafeの店主、佐山槙(サヤマ マキ)はまだ26歳という年で一人でカフェを開いた人物であり、その端正な顔つきのために女性に人気がある。


目にかかるほどの長さの髪の毛を右目のうえで分け、なかなかに高い身長と接客の態度がいいらしい。
料理もうまくケチの付け所があまりない青年だった。


小夜と早苗は一番奥の席を取った。
しばらくすると佐山がチョコケーキとミルクティー、ダージリンのストレートティーを運んできた。
これが二人の『いつもの』メニュー。
ミルクティーは早苗、ストレートティーは小夜の前に置かれた。
早速フォークを手に取り食べ始める。


「うん、ようやく落ち着いた」

「ほんと女子高生には予定が詰まってるのに…」
「ねー」

「あんたはもう少し落ち着いて学校生活を送りなよ。これじゃ、先が思いやられるよ」

「ってか小夜ストレートティーなんて大人だよね〜」

「コラ! 話をそらすな!!」


こうして、学校帰りにこのカフェにより、好きなだけ話したり、テスト勉強したりが二人の日常だった。


「じゃあ、もう遅くなるから帰るね」

「うん、気をつけて。車にひかれるなよ、おてんば娘」


お金を払い、早苗は帰った。
小夜はカバンを取り、店の階段へと向かう。
このカフェの二階は佐山の家であり、小夜の下宿先でもあった。


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