World of Game
小夜は起こり気味に弥生に聞いた。

「何で聞いちゃいけないの? これからあたしがお世話になる皆なのに!」

弥生は背を向けて言う。

「違うだろ、これから別れる皆、だ」


何故そんなことを言うのか、小夜には全くわからない。

けど、弥生の言う事は事実である上に、心の淵に重くのしかかった。


振り向き、懇願するように小夜の腕を掴み、泣きそうなほど辛い表情をした。

「名前なんか聞かなくていい。……別れが辛くなるだけだ。それに――」


その先を、弥生は言わなかった。

ただ、いつもの数倍の眉間の皺を作りながら目を伏せた。


弥生の言いたいことはわからないでも無い。
でもそれは冷たいことじゃないの?

疑問は溢れ出てくる。
でも、それを小夜は弥生にぶつけることができなかった。


弥生の哀しい表情すべて押しつぶされてしまった。


その間に、みんなの準備が整った。



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