World of Game


小夜は部屋を見渡して声をかけた。

「では、全員そろいましたね。始めさせていただきます」


初めてラスクディルと会った部屋の隣が大きな会議室となっており、今日のプレゼンはその会議室で行われようとしていた。

部屋にいるのは小夜、弥生、二人の仲間10人が立ち、机にはラスクディルと無表情のスーツの男たち。

見た目は40代〜50代前後のばかり。

中には小夜を此処へ連れてきた男もいる。
見たところ、半分以上がアンドロイド化したモノだ。


恐らく、この会社の幹部や上層部といった人物たちだろう。


プレゼン用の書類が全員に行き渡ったことを確認し、弥生を振り返る。

弥生はしっかりと頷き、小夜も頷き返し書類に目を落とす。


握り締めた手に力をこめ、気合を入れた。

よし、行こう!!


「まずはスクリーンでの説明、その後『これ』を実体験していただきます。
説明を行うのは作者である私№1073及び№841イオの二人です」

「御託はいい。早く始めろ」


机に頬杖をつき、つまらなそうにラスクディルが促した。
小夜は微笑みを返した。

「では、早速」


合図すると静かに部屋の照明が落とされ、天井からスクリーンが下りてきた。
下りきるとすぐさま映像が映し出される。


スクリーンに映るのはフルフェイスのヘルメット。
バイクのそれとは違い、目の部分は前が見えるようにはなっていない。

その代わり、目の高さから横に一周、太めにラインが引かれている。

それ以外の全体の色合いはメタルグレー。
印象としてはシンプルなデザインとなっていた。



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