World of Game
「名称は『ST-Luna』
コンピューターによって構築された3Dの世界に入り、その中で冒険、戦い等等たくさんのことができるゲームです。

基本的にファンタジー世界をモデルにしてますが、設定によってたくさんの世界を造りだすこともできます」


小夜の説明にあわせて、スクリーンに文字がつらつらと出てくる。


「このフルフェイスヘルメット――以後端末と呼びます――をかぶり、ログインすることで起動します。

操作はすべて声認証で行います。
ログインすることでメインコンピューターに接続し、端末で情報を読み取り神経の電気信号をキャッチ、3D世界に反映します。


ステータスなどは個人情報に含まれるでしょう。
商品化するにはIDやパスワードなどといった対策が必要かと思われます」

小夜は、手元の書類から顔を上げ全員を見た。


「商品化する、してからなどの事はこちらの対応だ。開発者が口を出すことではない」


ラスクディルのすぐ隣に座る初老の男が厳しく言う。

小夜は怒られちゃった、とでもいう感じに肩をすくめた。

次に小夜に一番近い男が口を開いた。

「神経の電気信号を読み取るというが、それで人体への影響はどうなんだ?」

「そちらの説明は私から」


弥生が一歩前に出た。



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