World of Game
スクリーンの画面がヘルメットの詳細画面からヘルメットをかぶった人間の簡単な模式図が現れた。


「運動神経、感覚神経共に読み取ることが出来、3D世界ではほぼリアル世界と変わらないように感じます。――もちろん、体への影響はほとんどありません。

3D世界に入ることは催眠状態と考えていただくと簡単でしょう。

つまりはメインコンピューターが用意した夢を自分で選択し、好きなことが出来るわけです」


先ほどと同じように説明を進めていくと弥生が言った説明がスクリーンの図に表れる。

「夢――催眠状態ですからST-Lunaを使って遊ぶ間の外見は、ヘルメットをかぶって寝ているようにしか見えません。

ですが、まだ試作段階という事もあり、長時間の使用の際にはどんな影響が出るかははっきりとはわかっておりません」


一礼をして、弥生が下がった。
説明を終了するという言葉の代わりに映像が消え、静かにスクリーンが上がっていく。


「なるほどな」


部屋もスゥと明るくなる。

未だ頬杖をついたまま面白い、とラスクディルがニッと笑う。
そして、周りの者を見渡した。


「他に質問のある者は?」


誰も動かない。


「ならいい、さっさと次だ」


隻眼の顔で、小夜を真っ直ぐに見つめた。


「では、実際にST-Lunaを体験していただきます。」


小夜も、微笑を返した。


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