World of Game
会議室にいたメンバーは部屋を移動した。
階下に降り、研究室の近くの大きな部屋に着いた。
部屋には背もたれの高い一人座りのソファが、ラスクディルや幹部たちの人数分あった。
小夜たちは彼らに座るように促した。
ラスクディルが小夜のそばを通りがかる時に、囁いた。
「さぞかし、面白いものを見せてくれるんだろうな?」
嘲笑いを含んだ言い方。
「それを判断するのはラスクディル様、貴方でしょう?」
緊張、か。
顔は笑みを作っていても冷や汗が頬をつたう。
「ククク…ガキのくせに口は達者にできているのか。
……この余興がつまらないものだった場合、どうなるかわかっている、だよな?」
「脅しのつもりですか?」
反論するも、声が震える。
ラスクディルは小夜の耳元に口を近づける。
「さあな。ただ、失敗すればお前もそこの奴らと――」
侵食されている仲間や、幹部の数人を顎でしゃくり示す。
「――同じになる」
途端に小夜の体の温度が変化し背筋を寒いものが走った。
「了、解…しました」
フン、と鼻で笑みを残し席に着いた。